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令和2年11月東榮寺各種活動参加者へ送付した言葉

執筆者の写真: toeijitoeiji

【第三波を待つ中で】


 新型コロナウィルス感染症は、世界中で再拡大となってきています。日本でも冬を迎えて、第三波の到来が危惧されています。今年の3月頃からずっと「感染しないように」といわれ、そのためには感染対策としてマスクをして手を洗い人混みを避け、仕事の仕方を工夫したりと、ずっと私たちは続けてきました。「感染しないように」というのは、自分の身を守るためであると同時に、「感染して他人にうつさないようにする」という他者への思いやりからの事でしょう。

 しかし、この考えは、暴走すると、とんでもないことに繋がります。緊急事態宣言下での自粛警察や、様々なトラブル、感染者やその家族への誹謗中傷、医療関係者、その家族への心ない言葉等々。皆さまの中にも既にご自身や家族が感染して辛い思いをした方もいらっしゃるかもしれません。

 今一度、冷静になることが求められているのだと思います。少しづつ分かってきてはいますが、ワクチンも、治療法も確立していないまだまだ未知の部分の多いウィルスです。誰でも感染する可能性があるのです。感染防止を心がけると同時に「自分が感染したら・・・・・」という事をイメージしてみても良いかと思います。

 我々は、この世にいのちを授かった時から死に向かっています。死があるからこそ、そのいのちは愛おしく大切なものともいえるのでしょう。自らのいのちが大切なのと同じように他者も自らのいのちは大切です。いのちを大切にするための感染防止です。それによっていがみ合いが起こり、争うのは悲しいことです。


「われらは、ここにあって死ぬはずのものである」と覚悟をしよう。─このことわりを他の人々は知っていない。しかし、このことわりを知る人々があれば、争いはしずまる。

『法句経』第六句


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