
【黒白二鼠の譬】
日本はじめ、世界中で新型コロナウィルスでお身内を亡くされた方々へ心よりご冥福を祈念いたします。また、罹患された方、そのご家族の皆さま、一日も早い回復を祈り、お見舞い申し上げます。
ここに、半年以上前のものですが、私の今年の年賀状の図を載せます。坐禅会の皆さまには初釜の際に少しお話ししたものです。
昔、旅人が道を歩いていると、暴れるゾウに出会います。必死に逃げると木の根が垂れている、井戸があるのを見つけ、その木の根をつたって井戸の中に身を潜め、ゾウをやりすごします。
ほっとするのも束の間、黒と白の二匹のネズミが出てきて、つかまっている根元をかじっています。このままでは確実に根はちぎれて、井戸の底に落ちてしまいます。底を見ると龍と毒ヘビがいるのがわかります。男は恐怖に身を震わせ、必死に上に上がろうとします。木の根にはハチの巣がありました。その巣から甘い蜜が数滴、口のなかにおちてきました。そのなんとも言えない蜜の甘さに心奪われ、今度はもっとなめたいと思って、いまにも切れそうな木の根を揺すっています。黒と白の二匹のネズミによって、つかまっている木の根がちぎれてしまいそうなことは忘れてしまったようです・・・・・・・。 『仏説譬喩経』
第2波とも云われる感染拡大が続いている中、4連休が終わりました。ますます混迷を深めているのが現状でしょう。あらためて年賀状に載せた図とその話を思い出しました。皆さまはどのように感じますでしょうか?
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