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令和4年3月東榮寺各種活動参加者へ送付した言葉

執筆者の写真: toeijitoeiji

 新型コロナウィルス感染症ですが、未だ落ち着く様子はありません。

二年前には、ここまで続くとは思っていなかった方が多いのではないでしょうか。

感染状況に応じて「緊急事態宣言」、「まん防」と、生活に様々な制限、影響がでました。その度に「いのちをとるか経済をとるか?」といった極論で、「いのちをまもるために経済を止めるのはやむなし」「いや、経済が廻らなくなると結果的にいのちが脅かされる」といった堂々巡りの議論がされてきたように思えます。もちろん、実際にはその間のさじ加減を考えながら様々な施策が行われてきたのですが相手は変異を繰り返すウィルス。人間の限界を感じながら、それでも何とかしようとする人間の可能性も考えさせられました。


 ここまでは総論。では自らに視点を移してみます。

私にとっては自らの無力さを感じる2年間でした。

寺の活動に関して、様々な感染予防をして開催しようとしても、感染拡大により諦めなくてはいけない状況に追い込まれました。こんな時なのでと寺のホームページを開きましたが、どうにも有効に活用できていません。坐禅会のみ、昨年から休みなく何とか続いていますが、感染者がでたらどうしようと不安は消えません。葬儀はコロナにより小規模になりました。それが良かったと思う方より、遠方の兄弟、親族との最後の別れが叶わない事により辛い思いをしている方が多いようです。なにより、入院や施設では、面会が叶わない場合も多い様子。その辛さがわかっていても、それに葬儀の場で寺として対応できないもどかしさ。

 無力な私に様々な助言をいただきました。やさしい言葉も頂きました。中には感謝の言葉を頂いたこともあります。様々な協力も頂きました。

 どうにもならない中、考えるのは、この間の事、思いを忘れないようにしようという事です。

自分の無力さに気付く事は同時に、生かされている自分を実感する事かと思います。また同じように、自分も他を生かしているものです。言ってみれば、自分と他の区別は無く、大きないのちを共に生きているという事でしょうか。

そんな事を感じました。

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